「あの怪我がなければ、兄貴の活躍は、もっと早くに開花してたんだ!」

「…でもさ、でもあたしは、めぐり逢わせとか、運命とかって、そーゆーのが」

「この賭け話をもち出したのは兄貴の方だったんだ!勝てる自信があったんだと!そこまでして、やり直したかったんだよ!なのに」

「だから、それが運命だったんだって!」

「なっとくイカねんだよ!」

「?」

「なっとくできっかよ!俺、負けてんだぜ!わかるだろ?何一つ勝ってねんだぜ俺!」

「ケイちゃん?!」

「このあいだ、タイマンで50やったんだ。その時だって、全然、俺…」

「…」

「怪我のこと知った段階で、やり直しってことにしたら、もう、勝てるワケ無いって…情けないだろ?」

「…ありがとう!正直に打ち明けてくれて…それから、そんなに思っててくれて…」

「こんな俺で…いいの?」

「当たり前でしょ!」

「!ホントに?」

「ホント!だってあたし、ケイちゃんしか、いないんだもん。」

「…よかった〜!!…ねぇ、俺たち、ウマくいくよね?!ね!」

「かな?…ただね、ひとつ聞きたいことがあるの。」

「ん?なに?」

「前に、ケイちゃんが言ってくれたことがあるじゃん…あたしがケイちゃんの原動力になってるって!」

「言ったかな?…なーんて!言った言った!」

「それなんだけど、ホントに…そう思う?」

「?ホントだよ!!本当に決まってんじゃん!」

「…」