「はい。お世辞も使えるようになりました。」

「あははは。」

するとそこへ、

「お話中のトコすみません。」と

慶太が割って入ってきた。

「ケータどうした?」

「ちょっと、兄を借りてイイっすか?」

「ああ、いーぞ。あ、ケータ!さっきおまえ、キレがあって凄く良かったぞ!」

「あ、あざーす!」

「なんだよ、おまえのその態度は!」

「あ〜イイんだ!こいつが畏まった時はよっぽどで、こっちの心臓にも悪い。俺もつい、名前で呼んでるしな。」

「!」

「兄貴を寺岡って呼んでたから、区別してるって言ってたじゃないっすか!」

「そーだよ!あまりにも性格が違くて、変な感じしてなぁ。ははは!」

「でたよ!」

「こいつは、昔から皆に親われてましたから。」


軽く笑みを浮かべ、そう言ったのは駿祐だった。


「話しって?」

「あとで、1本やんねーか?せっかくだし!」

「…そーだな。」

「50?」

「俺は良いけど。」

「おし、決まり!」



そして練習終了後、
部員がハケていくなか、
暗黙の了解で、ふたりはコースの前へ立っていた。


「やっぱり、ちゃんと決着つけるべきだと思ってたんだ。」

駿祐の顔を見ずに慶太は言った。