朝、学校で靴を履き替えている慶太に、

「おっはよう!」

クラスメイトの女子が話しかけてきた。


「うす。」

「この前さぁ、あんたと、知らない女が一緒に居るトコ見たんだけどさ、アレって彼女?」

「アレってドレか分かんねーけど…ハグとかキスとかしてたらそーかも。」

「…じゃあ、違うかな〜って、朝から疲れるですけど。」

「はは、ノるねぇ。」


そう言って、とっとと歩き出す慶太のあとを、付いて歩くクラスメイトは続けた。

「あんま背が高くなくって、なんかこう、落ち着いた感じの人だった」

「だから?」

「え?」

慶太は立ち止まって聞いた。

「それが彼女だからって、聞いてどうなるの?」

「あ。なんとなく、聞きたくて…」

「ふーん。多分、そうだよ。…最近、マミーと出歩いたことないし〜!」

「あはは!そのシチュエーション見てみた〜い!絶対写メ撮って、そんで皆に配信でしょ!」

「ふっ。おまえの行動範囲教えとけよ。絶対寄りつかねーから!」

「え〜。」



その日、慶太は気になっていることがあった。


その昼休み、
昼食を終えた慶太は、
いつものように屋上に行くと、
先に来て寝そべっている、菊地亮のそばへと歩み寄った。


「うい〜す。」

「んあ。」