「はいはい!すみません!」

「もぉ、むかつく〜!」

「あははは!こんな琴乃ちゃん、初めて見た!やっぱ迎えにきて良かったよ、マジで!」

「…変なのぉ、ケイちゃん。」

「変なのはそっち!でも、好きだけどぉ!!」

「ふふ。…いいなあ!」

「なにが?」

「酔ってもいないのに、そうやって、自分の気持ちを隠さずに言える人。」

「そんなの、いくらでも言えるよ!だぁいすきな人にならね!琴乃ちゃん、酔ってる時も大好きだよ!」

「わーい!やっぱり嬉しいなぁ、その言葉!ありがとう!ケイちゃん!あたしも大好きだよ!」

「どうせなら、酔ってないときに言ってよ。」

「じゃなきゃ、言えないもん!でも、そんなに酔ってないよ!乾杯のビールと、杏のお酒だけたもん!」

「はいはい!」



そんな頃、
駿祐は、二次会の会場に戻ることなく、
駅に向かって歩いていた。


途中、コンビニの前のごみ箱を見かけると
さっき買った煙草を、戸惑うこと無く投げ入れた。



「あれ、駿祐は?」

ふと気付いた紺野が言う。


「さっき、琴乃が帰った時、トイレに行くってそれっきり、戻って来ないんですけど…」

そう亜希が報告すると、

紺野とふたりは顔を合わせ、
互いに、苦笑いを浮かべあってみせた。