ふと目が覚めた時、時刻は、夜中の1時を回っていた。


だいぶ泣きすぎたようで、
額の中の方が痛む。


おかげで少し、ボーッとしていて、

今、アメリカが何時なのか、時差をさかのぼることに時間がかかった。


「電話は後にしよう。」

そう独り言を言うと、
パソコンを取り出し、メールを打ちはじめる琴乃。


『さっきはごめんなさい!あたし、てっきり別れ話の電話だと勘違いしてました。本当にごめんね。もう一度、きちんと話がしたいです!返事待ってます。』


そのメールの返事は、しばらく返らなかった…。


相当怒っているのだと、
琴乃は、ただただ、
駿祐からの返事を待つことにした。



「琴ちゃ〜ん!電話よ〜!」


母の声に、慌てて電話に駆け寄り、受話器をとった琴乃の耳に聞こえる声は、
待ちわびたモノとは似つかぬ
かつ
懐かしい声でもあった。


「今、何してるの?」

「紺野?」

「あ、覚えてた?」

「もう、なによ〜!もっと前に帰ってたんでしょ!すぐに連絡くれないで何してたの?!」

「ご、ごめん。色々あって…ってなんで?」

「駿から聞いて…それで…」

「なんだよ。さっきの勢いはどうしたの?」

「お帰り。」

「順番がおかしいだろ!」

「だって、待ってたんだもん!」