「俺、今月いっぱいで引き上げることにしたから!」

「マジで?」

「学校との契約も切れたし、バイトする為にココに居てもしょうがない!」

「…だよな!早いとこ、受験態勢に入った方がいいしな。」

「おまえも一度、一緒に帰らないか?」

「…なんで?」

「なんでって、琴乃が待ってるだろ?」

「まぁ。」

「一回、顔見せてやれよ!なんなら、きちんと話してさぁ。」

「きちんと話って何のだよ?」

「そりゃあ〜さぁ。…だいたい、こっちに来るとき、琴乃とはどんな話してきたんだよ!いつ頃帰るとか……待っててくれとか言ったのか?」

「あははは!何言ってんだよ!そんなこと言えるわけないだろ!」

「…何も言ってやってないのか?」

「だって、今の俺なんて何の保障も無いし…でも、連絡は取り合ってるから」

「当たり前だろ!!おまえ、幸せボケにも程があるぞ!」

「…どうしたんだよ?」

「保障が無いなら、一度別れて解放してやれよ!あいつはずっと、おまえに縛られてたんだぞ!高校の時から…だから、ちゃんと」

「勝手なこと言うなよ!俺は縛りつけた憶えはない!高校の仲間の方へ行くように仕向けたよ!なのに」

「あんな突き放され方でか?…あの時だって、きちんと話してやってれば…あんな居留守使ったまま、あとは琴乃まかせにして、そうやって琴乃の心に居座ったんだ!」

「…なんで、そのこと知ってんだ?」

「慶太から聞いてたよ!…おまえは恋愛が下手くそだよ。いつもハッキリさせないままで男らしくない!慶太の方が、琴乃を幸せにできるかもなぁ…。」