その時、駿祐は、
同じ怪我から復帰したアスリートについて調べていた。


駿祐は必死だった。

自暴自棄になどなっている暇はないのだ!


次第に、どんな身体の故障でも、見事に復活を遂げたという人と、直接会って、色々と、その経験談を聞いてみたいと思うようになり…

どんなことでも良いから、
とにかく、何か参考になるものをと探していた。


琴乃のことを忘れている訳ではないが、

ちょうど、紺野から連絡がきて、自分の状況を話したところ、
偶然にも、アメリカの友達に、同じ境遇の知り合いがいると聞き、じっとしていられず

駿祐は、独り、アメリカへと急いで飛んだ。


これでは、連絡がとれないはずだった。


久しぶりに、駿祐から誘われ、
出向いていった琴乃の顔は、笑顔を作るのに一苦労だった。

なぜなら、
春休みが近づいたなら、それを利用して、しばらくアメリカヘ行ってくると言うのだ。


なんでも、紺野に紹介された、その人に付いて、トレーニングを学ぶのだとかなんだとか…


密かに、春休みの予定を考えていた琴乃だったが、

それを言われてしまったら、自分がたてた計画のことなど、話せるワケがない。

かといって、ついて行くワケにもいかず、

今は、自分のやりたいようにと…
陰ながら見守り、応援するしかない。


そしてその間、
駿祐からは、何の音沙汰もなかった。