新年を迎えて数日後、

ワイドショーが挙って取り上げ、話題の一つになっている成人式。


その様子を、ただ漠然と観ていた“琴乃”も遂に、
その成人と認められる日がやってきた。

が… 

誕生日は、と言うと、

その1か月ほど先のことだった。


もちろん、今の成人式のあり方だと、こういったケースが起こって当然なことである。


話題になる様な、派手なパフォーマンスがあったワケでもない、琴乃の地元では、

久しぶりに見る顔に、
とびはねて喜ぶ者も居れば、

あいかわらずのメンバーで、かたまっている者達や、
人を寄せつけないオーラを漂わす者と…

色々な面々が、
それぞれ、思うところがあって、
その広場に集まっていた。


都合がつかなかったのか、クールなのか、
そこに姿を現さない者も、もちろん居る訳で、

琴乃が、それに気が付いただけでも、
3人の人物に会うことが出来なかった。


そこで、
その時に浮かんだ提案で、
口々に広まっていった、

『皆が二十歳になった三月に、先生も呼んで』

という約束の、

中学の時のクラス会に、

琴乃は今、こうして参加している。


ビールを片手に乾杯をして、
皆、和やかな時間を過ごしていた。