「なんだ、守り幽霊って。座敷童か」

龍臣にからかわれ、あずみはさらに頬を膨らませる。地縛霊とからかわれて臍をまげたのだろう。
ぷりぷりと怒ったあずみの気配が遠ざかり、階段がぎしぎしと大きな音を鳴らすのが聞こえた。
拗ねて二階へ戻ったのだろう。
龍臣は怒ったあずみの姿を想像する。あずみの顔かたちや姿は修也から細かく聞いていた。

きっと白い滑らかな頬をハムスターのように膨らまし、ムッとした顔をしていたのだろう。
見えなくても手にとるようにその様子がよくわかる。
そして、その想像した姿にぷっと吹き出すと「龍臣のバカ」と二階から本が降ってきた。