教室に戻った3人。いつもどおりお昼を食べているはずだった。
だがあいかの頭の中はあの男の人のことでいっぱいだ。
「どうしたの、あいか?全然食べないで」
「ほんとだー、全然食べてない。いつも大食いのあいかが!どうかした?」
「えっ?……あ、なに?」
「なに?じゃないよー。あいか様子変だよ?なんか悩み事?」
「なんだーあいか悩み?似合わないー!よしっ!なつはが悩み聞いてあげるよ!何でも話してごらんなさいっ!」
2人は本当に心配している目だった。
(どうしよう…この気持ちの答え教えてもらおうかな……?)
「あ、あのね!」
『うん』
「さっき購買でパンを落とした時にすごく親切な男の子がパンを拾ってくれたの。ありがとうございますって普通に受け取ったんだけど渡す時の笑顔が凄く優しくて…可愛くて…。」
『うん、うん、それで?』
「でね、その男の子の笑顔が頭の中から離れなくて…。ねぇ、この気持ちってなにかな?」
2人は顔を見合わせた。そして少し笑った。
「あいか!それは恋だよ!」
「これが?恋?」
「そう、恋。」
「よかったねー!あいか!やっとホントの恋ができて!」
「……これが、恋…」
あいかはやっとホントの恋が分かったような気がした。
