「あの……私と付き合ってくださいっ♡」

彼女の名前は松平あいか。高校2年生。
現在、彼氏募集中だ。

誰でもいいから彼氏がほしく、今告白をしている真っ最中だ。

「ごめん…。気持ちは嬉しいけどオレ、松平さんとは付き合えない」
「……そっかー…。分かった!いきなりごめんね。…………じゃあ」
「うん…」



「あーーー!!もうっっ!いつになったら彼氏できるのよー!!」
「しょうがないじゃん、あいか。今まで男避けてたんだから」

あいかの親友、高原美咲。美人で、優しくて、頭良くて、完璧な女子だ。

「てかあいか。どうして急にまた彼氏ほしー!なんて」

同じくあいかの親友、小池なつは。彼女は可愛くて、はちゃけている、モテる女子だ。

「だってだって、2人とも彼氏いるんだよー?私だけいないなんてかなしすぎる!2人みてるといちゃいちゃして楽しそうだしさ!彼氏ほしーよ!」

「あいか……」
『ドンマイ♡』

「うっ……ふんっ!もういいもん!彼氏なんかいらなーいだ!購買いこっ!」

ガヤガヤ…ガヤガヤ
「うーわ、思ったより混んでる。何かあるかなー?」


「あいかー!買ったー?行くよー!」
「あ、ちょっとまってー!」

ポスッ!

「あの……すいません、落ちましたよ?」
「えっ?あ、すいません!ありがとうございます!」
「はい。気をつけてくださいね。」

そう言うと男の人はニコッと優しい笑顔で笑ったと思うと行ってしまった。

(可愛い笑顔。……あれ?なんだろう。この気持ち。心の奥がキュッとする……)

「あいかー?なにしてんの?はやくー!」
「………うん…ごめん…」

そう言いながらもあいかは動くことが出来ずに男の人の方をずっと見ていた。