あたしに気を使ってか、背中を向けて空を見上げるひーくん。
今だ!と言わんばかりに早足で露天風呂の中に入り、ギリギリ体育座りできたのでなるべく身を縮め気配を消した。
しばらく他愛もない話をした。
気づけばひーくんと向き合う形になってて、恥ずかしさも軽減されていた。
「ねえ、桃」
「ん?なに?」
そんなときに突然きたひーくんのニヤリ顔にドキッとする。
「触ったら、怒る?」
「さわっ、触るっ⁈」
大魔王ひーくんの悪ふざけがついに来た。
今日1日特になにもなかったから、そのツケが今この瞬間に回ってきたに違いない。
そもそもどこを触るってこと⁈
それによるよ!ってそうじゃないか!
基本どこ触られても……嫌じゃないけど嫌だもん……。
脳内で1人で解決しようと頑張るが、なかなか答えは出ない。