「この1年、ていうか付き合ってからなかなか出掛けられなかったから、せめてお互い高校生のうちにどこか行きてぇなって思って。予約した」
淡々と説明するひーくん。
ポカーンと口を間抜けに開けるあたし。
「受験は……?も、もしも、落ちたりしたら……」
「受かる自信があるから大丈夫」
「うん、そうだよね!この1年こんなに頑張ったんだもんね!って、あたしが言える立場じゃないけど……。でも、素直に嬉しい‼︎」
初恋でもあるひーくんとやっと付き合えたと思ったらひーくんがまさかの一般受験をすると知り、この約1年は塾詰めでなかなか出掛けられなかった。
たまにデートはできたけど、遠出なんてできなかったし、特別な日に特別なデートをすることもなかった。
不満を抱かなかったわけじゃないけど、それでも我慢できたのは……ひーくんの夢を素直に応援したかったからだと思う。



