「あたし怒ってるんだよ⁈」
「知ってるよ。途中でやめられたから怒ってるんだろ?」
「ちっ、違う‼︎」
「続きはまた今度な」
頬っぺたを軽くつねられお子様扱いされてる気分。
でも、どこかホッとしている自分もいる。
大人の階段を登るのはもう少し先になりそうだ。
すると、ひーくんはテレビ台の扉を開けてなにかを取り出し、それをあたしに渡した。
渡されたのは1枚の紙。
「ま、まさか、婚姻届……⁈⁈」
「んなわけねぇだろ!」
「ですよねー」
拗ねるように唇を尖らせながら4つに折りたたまれた紙を広げる。
なにやらパソコンの画面を印刷したもののようで、小さい文字などがいくつか並べられていた。
「宿泊予約、完了……?え?どういうこと?」
静岡県のとある旅館の名前の下にひーくんの名前、その下には″大人2名の宿泊予約完了″の文字。
日にちは約1ヶ月半後、合格発表が終わった2月の末になっている。



