「すごく、可愛いかったよね!」


「そうか?」


「か、可愛いかったよ!いい匂いしたし!」


「なあ」


「え?」


「他に聞きたいことあんじゃねぇの?」




ギクッ。


まさかの図星をつかれ、もう遠回しに言っても仕方ないと思い、「彼女なの?」と単刀直入に聞いた。



すると、ひーくんはフッと鼻で笑った後に「違うよ。おトモダチ」と信じていいのかだめなのか分からないことを言ってきた。



そんなことだろうと思ってたからショックは受けなかったけど、「彼女」ではなかったことで、正直安心する自分がいた。



……そうこうするうちにあたしの家に着き、ひーくんはロビーまで来てくれた。




「わざわざ送ってくれてありがとう」


「あぁ。役に立てて光栄だよ」


「うわーまた思ってもないことをすぐ言う。その癖治した方がいいよ?」


「別に思ってないこと言ってねぇよ。むしろ自分に正直に生きてるつもりなんだけど」