ついにその症状も末期で、どうやらあたしには幻覚が見えるらしい。



校門近くの反対の道路に止まった1台の車から降りてきた人物がひーくんにものすごく似てる。



ていうか、あれひーくんだよね⁈



雪が降る中傘をさすその人の顔はもう見ることができないけど、傘をさす前チラッと見えた横顔が明らかにひーくんだった。



この時間は塾にいるはずなのにどうしてこんなところにいるのか。

しかもいつの間に車の免許とったの。

車まで持ってなんて……。



突然の驚きの多さに頭の中はショート寸前で、タイミング良く授業の終わりを告げるチャイムが鳴り、一目散に帰る支度をした。



担任が来て帰りのホームルームも終わり、帰る約束をしていた日菜子にさっそく駆け寄って状況を説明した。