いい感じのムードのまま大人の階段を登れる……はずもなく、そのあとすぐ聞こえたパパの「ただいまー!」の大きすぎる声に2人して驚き、即終了した。



ひーくんは続きができずに拗ねてたけど、あたし的にはまだ心の準備が出来ていなかったので少し安心した。



完全に忘れていた日菜子もリビングでママと待っていてくれたこともあり、あたしとひーくんも仲直りの報告をみんなにし、一緒に夜ご飯を食べることになった。



状況を把握できていないパパは最初あっけらかんとしていて、でも、ひーくんの意外な真面目さにすぐにパパには笑顔が戻った。



ひーくんが建築の道へ進みたいことを話すと、パパの友達にも建築士の人がいるみたいで後半は2人でその話で盛り上がっていた。


その様子を見てとても嬉しくなり……改めてひーくんを好きになってよかったと思った。



すれ違っていたときはどうなることかと思っていたけど、お互いに寄り添おうと思う気持ちがあったからこそ今こうして仲直りができたんであって……逆にすれ違いがなかったら今のように本音を言い合えていなかったのかもしれない。



きっとまだまだ知らない部分はたくさんあるだろうけど、この先もぶつかりながらひーくんの本心や闇の部分でもいいからなんでも知っていきたい。



それと同じように、ひーくんにもあたしの全部を知ってほしいなぁ。