ママの言葉を受け入れる前に再び鳴ったチャイム。
今度は下のエントランスからではない。
ひーくんが玄関の扉の向こう側にいるという証。
リビングで立ち止まるあたしの代わりにママが玄関の扉を開けに行ってくれ、そのあとかすかにひーくんの声が聞こえた。
「桃さんとは真剣にお付き合いさせていただいてます」
その言葉を聞いて、意地を張るのがバカらしくなった。
マナーモードにした携帯には何度もひーくんからの電話があって、それに気づきながらも出なかったのは……ひーくんがあたしと英二くんがお似合いだと言ったことで傷ついたから。
でも落ち着いた今、本気で言ったわけじゃないことはわかってる。
これからも……ひーくんと一緒にいたい。
ゆっくりと歩き出し愛する人の元へ向かう。
目の前には戸惑った様子のひーくん。
気を抜いたら思いっきり抱きしめてしまいそうだ。
ママにあたしたち2人は背中を押されてあたしの部屋へと押し込まれた。



