桃とのことになるとどうも感情が抑えられない。

こうして1人になれば冷静になれるけど、それじゃ意味がない。



思い通りにいかねぇからって周りに当たりまくって……本当に情けねぇ。



女々しく自己嫌悪に陥ってる俺の前を……私服の男2人が通った。



後夜祭は外部から来た一般の人たちは参加できないことになっているのに、なんで私服のやつらがいるんだ?



相手も俺の存在に気づいてこちらを向く。



真正面に見えるのは、どう見ても知ってる顔。



なんでこいつらがここにいる?



「絢にくっついてきたのかよ」



絢と同じ学校に通ってて、いつも絢と一緒にいる野郎2人組。



こいつらがいるってこと自体、嫌な予感しかしない。



無言を貫く2人に追い打ちをかけるようにどんどん近づく俺。



目が合った瞬間の2人の「あ、やべっ」って顔は忘れられない。