「ひーくん!待って……っ!」



ベットから降りてひーくんのそばへ行った。



ひーくんは振り返り冷たい目であたしを見下ろす。

あたしに続いて英二くんがそばへと来た瞬間、ひーくんの視線はそっちへ移った。




「自分の手で桃を守ってヒーローのつもり?」


「別にそんなんじゃねぇよ」


「ならなんで俺に言わねぇんだよ」


「女の子たちが嫌がらせしようとしてるって?陽に?言ったところでなにができんだよ」


「は?どういう意味だよそれ」


「今まで適当にヤって、適当に別れてきたやつが、ちゃんとケジメつけれるわけねぇだろ」




英二くんの言葉で顔色が変わったひーくんは怖い顔して右こぶしを振り上げた。



このままだと英二くんが殴られる!と思ったあたしは咄嗟にひーくんに抱きつき、その一回り大きな身体をなんとか静止させた。



「ひーくんっ……お願い、やめ、て……っ」



これ以上2人のこんな姿は見たくない。



今あたしができる唯一の行動だった。