「絢が家に泊まるの俺はいいとして、おまえはいいの?」



ゆっくり時間をかけて吸い終わった煙草の吸殻を、ポケットから取り出した携帯灰皿に捨てる。



ひーくんは窓下の壁に寄りかかる形でしゃがみ込み、あたしを下から真っ直ぐと見つめた。



「いいもなにも兄妹なんだし気にしないよ」


「……ごめん、1個嘘ついてる」


「え?」


「あいつと俺、本当は血繋がってない」



血が………繋がってない?



「だってお父さんとの子でしょ⁈前に話してくれたときもそう言ってたじゃん。それに絢さんに英二くんも同じように話してたじゃん……」


「英二には本当のこと言ってたけど、今までも他の奴らに話すときは本当の兄妹だって話してた」


「ど、どうしてそんなこと……しかも、なんであんなに嫌ってた嘘をあたしについたの?」


「絢はあいつの母親が浮気相手と作った子ども。親父は離婚するまで気づかなかったらしいけどな。再婚して離婚して、そんで2歳下にできた妹は血が繋がってないなんて説明するのめんどくせぇだろ」