ひーくんが足を止めた場所はこの前連れて来てくれた使われていない美術室。
喧嘩ムードが漂っている中でも、この前ここであったことを事細かに思い出してしまい顔が赤くなりそうだった………けど、気持ちを落ち着かせてなんとか止めた、はず。
泊めることを了承してくれたから、少しでもあたしや絢さんの気持ちを理解してくれたものだと思っていたのに………
歩いてるとき同様、全身から怒ってますアピールがまぁすごい。
途中何人かひーくんの知り合いたちが声をかけようとしているのを見たけど、さすがに機嫌が悪いと瞬時に判断したのか声をかけるのをやめていた。
それくらい怒ってらっしゃる。
ひーくんは窓際まで行き窓を開け、静かに煙草を吸い始めた。
あたしの前ではあんまり煙草を吸わない。
まぁまず18歳で吸っちゃいけないんだけどね。
あたしに煙草の匂いがつくのが嫌、と言って吸わなかったのに………今はそんなことを気にする余裕もないらしい。