なんだか最初は敵意むき出しで”嫌いオーラ”全開のムカつく女だったのが、最後はお兄ちゃんが大好きなちょっとキツめの女という印象が残った。



あたしでももしひーくんがお兄ちゃんで彼女を作ったとしたら嫌かもしれない………ていうか絶対嫌だ。



だからこそ、絢さんの気持ちもわからなくはない。



あたしは素直になれないひーくんの背中を押してあげた。

悪いことをしたなんて思ってない。



2人きりになっても不機嫌なままのひーくんが急に立ち上がりどこかへと歩き始めたので、とりあえず追いかけることにした。



「あのー………怒ってる?」



スローペースで歩くひーくんの後をついていくあたし。



「わかってんなら何で絢の肩持った?」


「同じ女としてほっとけなかったの。もし自分がストーカーされてて、それを嘘だって言われたら相当傷つくなって」


「絢のこと知らねぇからそんなこと言えるんだろ」


「そりゃ絢さんがどんな人か知らないけど、でも、そうやって嘘だって最初から決めつけるのは良くないと思う」


「お人好しにも度が過ぎんだよ」