呆れたように大きくため息をつくひーくん。



確かに過去に嘘をつかれていれば疑ってしまうのも無理はない。

だけど今回は例外だと思う。



ストーカーに毎日のように後をつけられるような生活をしていたら、あたしだったら怖くて外に出られなくなってしまうと思う。



そんな恐怖を感じる中で頼れるひーくんに相談して、勇気を出してお願いをしたのにこの有様。



ずっと一緒に暮らしていたわけじゃなくても、血が繋がってこうして関わりがある時点で”家族”と言える気がする。



女性として、ひーくんには少しガッカリした。



「英二くんも桃ちゃんもありがとう。あたしは大丈夫だから、とりあえず警察に相談して早く捕まることを祈ってる。陽……なんか、ごめんね。こんなに嘘ばっかりついてたらそりゃ信じてくれないよね。自業自得だ……」



涙を拭い、無理して笑顔を作る絢さん。



それを見てさらに心が痛む。