桃は……昔からそうだ。



好き好きオーラがすごいくせに、女の子といても何も言ってこないし、束縛のような素振りを見せてこない。



桃はどっちかっていうと……妹っぽい。





「桃ちゃんほんっと可愛い。俺のタイプど真ん中かもしれない。いやど真ん中だわ。あー付き合いてぇー」

「英二好きそうな顔だもんなー桃ちゃん。しかも1年生なだけあってやっぱピチピチしてるもんなー」

「だよなー。あと匂いな。いい匂いだったー」




1年の頃からよく一緒にいるメンバーの中で英二と綾斗(あやと)とクラスが同じで、教室に入って早々なぜか話題は桃。



話してる内容が完全にオヤジ。

いい匂いー、って、変態かよ。




「ひーくんはいいよなー、好きって言われたあげくチューまでできちゃうんだからさー」


「その呼び方止めろ。お前に言われると鳥肌立つ」


「実際どうなの?やっぱり久々に会って綺麗になってた桃ちゃん見て、ときめいた?」


「ときめいたっつーか……んー、綺麗になったなとは思ったけど」


「はい出ましたー。女の子がいつも周りにいるモテ男はつげーん」