悠里さんとの1件があってから本当にあたしは塾には近づかなかった。



ひーくんを信じていたし、これ以上悠里さんとも会いたくないし、何より勉強の邪魔をしちゃいけないと思った。



会ったらその分くっつきたくなる。



あたしがくっつくと、ひーくんの男モードにスイッチが入っちゃうらしく、むやみにくっつくなと言われてしまった。



彼女なのに!

彼氏にベタベタするのは彼女の特権なのに!



それを拒否されあたしのプライドが傷ついた以上、もうこっちからベタベタするのは止めようと心に決めたのだ。



ひーくんのことが好きだから、会えばそりゃあくっつきたくなるのが当たり前でしょ?



それを、あの暴君男はなーんにも分かってない。




「それで、夏休み明け早々、そんなにテンションが低いわけね?」



約1ヶ月の夏休みが終わりを告げ、今日は夏休み明け最初の登校日。



始業式も終わり、教室へと戻ってきた。