ひーくんは突然のあたしのお願いに戸惑いを隠せないようだった。
「そう言われたらひーくん困るでしょ?」
「そうだな。それはさすがに困る」
「じゃあ、もう簡単にキスしちゃダメだからね」
「あぁ。桃に言われたからには守るよ」
……嘘つき。
あたしのお願いを守ってくれたことなんか1度もないくせに……。
あれは……
確か、ひーくんとあたしが小学生だった頃。
家が隣同士だったため、お互いの家を行き来してよく遊んでいた。
その日は、たまたま洗濯物が出しっ放しで部屋の片隅に置かれていて……あたしはそれを忘れ、部屋にひーくんを招いた。
しかも、運悪く1番上には熊が描かれている白いパンツがあって、それをひーくんに見られた……。
そのパンツはちょっと恥ずかしかったけど、大好きなおばあちゃんに貰ったものだったから、ズボンの時に履いていて……
ひーくんに見られた時は恥ずかしさのあまり、「みんなには内緒にしてほしい」と頼んだ覚えがある。



