「お前には関係ねぇからあっち行ってろ」

「そんな冷たくしなくてもいいじゃーん。長い付き合いの仲でしょう?」

「いいから黙れ」




電話の向こうではあたしを抜きにして会話が行われている。



長い付き合いの仲?



その言葉が引っかかるが、どうせ今までの数え切れないほどの遊んでた中の1人なんだろう。




「明日は何時から来るのー?時間一緒だったら待ち合わせしない?」

「しない」

「意地悪ぅー。ねえねえっ、一緒に来るくらい彼女さん許してくれるよねっ?!」

「悠里っ、てめっ、」



耳元でごちゃごちゃと聞こえて、一瞬であたしの頭の中もごちゃごちゃになった。



悠里…?



聞いたことある名前。



そうだ………最初のデートの時に家まで行った女の子だ。



あの時は確か、最初はひーくんのことを引き止めてたけど意外とすんなり引いてくれたんだよね……。



え、まさか、この悠里って人も夏期講習一緒とかじゃないよね?!?!




「もしもし彼女さん?久しぶりー、実はたまたま陽と夏期講習同じでね?あ、たまたまだし同じ授業そんなにないから安心してー?」


「あ、はい……」