「ほんと可愛いな」
「えっ」
「俺も桃で頭いっぱいだよ。夢に出てくるくらいお前のことばっか考えてるよ」
さっきまではいつもの意地悪なひーくんだったのに、急に真面目な声になるからドキドキがついていけないでいる。
あぁもうやだ……。
ひーくんにはどうしたって敵わない。
「明日は可愛い格好してこいよ?そしたらいっぱい可愛がってやるから」
「……っ」
「じゃあ明日な、桃」
「……うん、明日、ね」
電話が切れた音がしたあと、すぐにあたしはベットにうつ伏せになって倒れ込んだ。
もう最後の最後で負けた、やられた。
ひーくんは全部全部お見通しだったんだ。



