「ごめんっ……」
泣ける立場なんかじゃないのに涙が溢れる。
今まで出会った中でとってもとっても素敵な人。
あたしにはもったいない人。
「どうしても、だめなんだよね?」
「……ん」
「この場で、土下座しても?」
「……うん」
「そっかぁ……」
窓の隙間から柔らかい風が入ってきて、中のカーテンを揺らした。
そのカーテンはまるであたしの涙を拭うかのようにあたしの顔にかかりゆっくりと元の位置に戻った。
「そろそろ、諦めた方がよさそう……かな?」
太陽くんはそう言いながらカバンの中からティッシュを出してあたしに渡してくれた。
そのティッシュで涙を拭いながら、あたしはゆっくり頷いた。
「じゃあさ、最後にお願い聞いてもらってもいい?」
「え……?」
「友達として!ハグさせて!」
急なお願いだったけど、太陽くんがいつもの太陽のように明るい笑顔でそんなことを言うもんだから………あたしは断れるはずがなかった。



