ひーくんにキスをされ、その時にだいぶあたしは落ち着いた。



涙も止まり興奮状態もだいぶ冷めた。



やっと冷静さを取り戻したあたしは、なんだかいろいろ気になってきてしまい、また口が開くことになった。




「じゃあ……単刀直入に聞くけど、ひーくんって、もしかしてあたしのこと好きってこと?」




すると、ひーくんは吹き出すように笑い始めた。




「えっ?何で笑うの?!」


「いや、前向きだなぁと思って」




そこでやっと自分が言った言葉の大胆さを知り、身体中の温度が上がる。




「だ、だってっ、さっき特別って言ってたもん!他の女とは違う感情をあたしには持ってるって言ってたもん!」


「よく覚えてんな」


「そりゃ覚えてるよ!むしろあたしの話聞いてた?あたしはどんなに傷付けられてもひーくんのこと好きなんだからね?それだけ想ってるんだから必死にもなるでしょ!」


「聞いてたよ。俺に触れられたいくらい好きなんだろ?」




その瞬間、顔の温度が急上昇して噴火しちゃうんじゃないかと思ったくらい恥ずかしくなった。



完全にからかわれてる。

どうしてこうなることを見据えて、あの時の自分はもっと制御できなかったんだろうって今ものすごく後悔している。



けど、こうやってからかわれると、いつものひーくんに戻ったんだと感じることができて嬉しい。