熱中症のせいか、不安定な気持ちのせいか、目頭が熱くなってくるのが分かった。
やばい。
このままだと涙出る……。
あたしは咄嗟にひーくんがいるところとは反対の方向に体の向きを変えて涙が出てるのをバレないようにした。
「どうした?気持ち悪い?」
「大丈夫!ほんと!ほんとに大丈夫だから戻っていいよ!ありがとう!ほんとに感謝してます!ありがとう!じゃあね!」
早くこの場からいなくなってほしい存在を帰すために必死にしゃべってみたものの、逆にわざとらしい言い方になってしまって自分でもバレるんじゃないかとビクビクしていた。
「なぁ、」
もちろん勘が鋭い陽様は疑い深い声。
「何でしょうか」
「嘘が下手なんだよ」
「嘘?はて、何のことでしょうか」
「とぼけてんじゃねぇぞ?」
すると、突然ひーくんが脇の下をくすぐってきたから、くすぐったくて思わずあたしは暴れてひーくんの方を向いてしまった。



