そんな時、突然目がチカチカして、目の前が真っ暗になり、頭がガンガンして体の力が抜けるのが分かった。
あ……今度こそ倒れる……
意識も遠のいていた頃………倒れたと思ったら、背中が何かに当たり、覚えのある甘い匂いがあたしを包み込んだ。
この匂い……とても落ち着く……。
意識が朦朧とする中で、確かに声は聞こえた。
「おい、こんな炎天下の中ぶっ倒れてたら死ぬぞバカ桃」
小さい頃から耳に染み付いている……声。
落ち着くトーンの男らしい声。
そして、言い方はきつくても優しさが含まれてる言葉。
見なくても分かる。
嫌でも、離れたくても、分かっちゃう。
「ひー、くん……」
「あぁ、ひーくん参上だよ。熱中症なりかけてんのに走るからこうなんだろうがバカかお前は」
「……きもち、悪い……」
「耐えられねぇ?」
「だ、いじょうぶ……吐きそうではない」
「保健室まで我慢しろ」



