「好きな人はいないよ」
その邪魔しかしてこない俺様を取っ払い、あたしは正直に答えた。
「あの先輩は……」
太陽くんは言いづらそうに小さい声を出した。
きっとひーくんのことだろう。
あのチューしてた現場見ちゃったんだもんね。
「今は何でもないよー、そもそも何かあったわけでもないし!」
「そっか。じゃあ今は、俺でもチャンスあるってことでいいの?」
「そ、そういうことに、なるかな?」
「じゃあ、頑張る」
「う、うん」
太陽くんは女の子とこうやって話すのが初めてだって言ってたけど、あたしも男の子にこうやって猛アタックされるの初めてだからドギマギしちゃう。
「でも実際太陽くんモテるでしょ?初めて会った日も教室の前に女の子たくさん来てたし」
「あー、うん。何でか全然分かんないけどね」
「そんなのかっこいいからだよ!太陽くんめちゃくちゃかっこいいじゃん!」
正直に何も考えず思ったことを言ったけど、恥ずかしそうに俯く太陽くんを見て思いのほか大胆なことを言ってしまったんだと後から気づいた。



