「おい平助、少し落ち着け。」



「これが落ち着いていられるかよ!それに、頭を撫でてくれたあいつの手は優しくて、生きててよかったって思えたんだ!だから頼むよ、頼むから傷つけないでくれ…」



ただただ必死に訴えた。言ってることはむちゃくちゃだけど、どうしてもあいつを助けたかった。



しんとした部屋で口火を切ったのが一君だった。



「副長、平助の言うことに一理あります。捕縛した浪士の証言が事実とは限りませんし、直接本人に会ってから決めるべきでしょう。」



「俺も斎藤君の意見に賛成だ。平助の言葉を聞いたらだいぶ考えが変わってな。歳、お前はどうだ?」



「…ちっ。わかったよ!会って話せばいいんだろ!だがその前に行方を追わなきゃいけねぇし、もし性根の腐ったガキなら斬ればいい話だ。異論はないな、平助?」



「うん、ありがとう!一君、近藤さん、土方さん!」



こうして俺はあいつを探すこととなり、



運命の歯車が、また、動き出したーー



平助side.end