怒られるのを覚悟して頭を下げ



「顔をおあげなさい。」



恐る恐る顔を上げると、



「別に怒ってなどいませんよ。」



「へ?」



てっきり怒られると思っていたが、お坊さんは優しい顔をしていた。



「朝いつものように木を眺めていたら君を見かけたもので。よろしければ理由を教えてもらってもいいでしょうか?」



「は、はい。」