広間ではもういつもの食事が始まっていて、騒がしい。



俺はいつもの席に座った。



「そのこぶ、また副長に怒られたのか。」



隣に座っていた一君が静かに言った。



「そうだよ。けっ、ちょっとうるさくしたぐらいですぐ殴るんだから。」



一君に愚痴り箸を手に取りながら、昨日のことを考えた。



(それより、土方さんにあいつの話しをしといたいたほうがいいのかな?)



変わった着物を着ていたし、もしかしたら長州の間者かもしれない。



(でもどうしてもあいつが長州の奴には見えないんだよな。)



怪我がなくてよかったと言いながら浮かべた笑みが、嘘には見えない。



(後で一君にでも相談するか。)



止まったいた手を動かし、俺は朝餉を食べた。



平助side.end