うるさかった壬生寺が静かになる。



周りは、まあ影で隠れているのは放っておいて、俺と藤堂平助しかいない。



話してみるか。



俺は口を開いた。



「俺になんの用だ?」



藤堂平助は目を泳がせる。



「え、あ、そのだな、用っていうよりも…てかなんでお前、逃げないの?」



昨日は会った途端逃げたから疑問に思ったのだろう。