くちづけた瞬間を

今でも覚えてる



引き止める勇気もなく

まして きっぱり忘れてしまう強さもない



気の効いた言葉は

何も言えず



ふるえる唇をとがらせて

かぼそく鳴いた



せいいっぱいの強がりは

つま先まで



朽ちてしまおう あてつけに

落下する椿の如く 身勝手に