「城北か。成績も足りているし、別にいいんじゃないか」



目の前の私ではなく、手元の過去の成績表だけを見つめたまま、先生はさらりと言う。



先生、私はそこには居ないよ――



いっそ白紙にすれば良かったの?
一部の生徒みたいに「高校なんてどこでもいいよ」って投げやりに言えば良かったの?



ねえ、こんなんで私の志望校は、私の将来は決まってしまうの?



「しかし神谷は早く終わるから助かるな。なにしろ次は、あの国吉だからな」



先生の言葉に私は、はと我に返る。