良い子とは呼ばせない

「桃ちゃん元気ないの?」


まどかは、すぐにいつもと違う私に気が付いた。



心配されると泣きたくなるから、私はいつものようにまた笑顔を作って



「5限は授業参観だよ。早く教室行こう」



と木の上にいる彼女に向かって、大きな声で言った。



だがまどかは黙ったまま、何も言わなかった。