ガチャ




「んーー」





私が閉じだドアの音がしんみりと部屋に響いて、彼の耳に入る。

彼の伸びた寝言が可愛らしい。



寝返りを打った彼は、顔を天井に向けてスヤスヤとまた寝息をたて始める。



静かだし、どうして寝てるの?
んー挨拶しろって言われたのにー。




この状況のままではダメだと私は思い



「......ぁ、の」



そう問いかけてみるもやはり声は届いてない様子。




どうしたもんかと思いながら部屋の中を進み始める。


小さくギシギシとなる床は

だんだん近づく彼と私の距離のカウントダウンに聞こえる。




っ。

近づくにつれて見えてくる彼の顔に何回息を飲んだか。


遠くで見た時よりも、やっぱりそこの山崎龍斗は、


私の好きな大好きな

俳優、山崎龍斗くんそっくりだ。




すごい。

きれい.........。





あまりにも綺麗な顔立ちで、私はもう少し近くで見てみたいと欲張る。




「ふぅ」




大きなテーブルと彼が寝ているソファの
間を行き
彼が寝ている足元についた。



背が高くて、サラサラのストレートの髪でまつ毛は長い。



寝顔でもこんなにかっこいいのなら美形を分けて欲しいくらいだ。



「ふぅー」


小さくため息をついて、私は、天井に顔を向けている彼に対して上から覗き込んだ。




ガタッ




.....いや、覗き込もうとした。



ぇ!?



「ひゃわっ!!???」







しまった。
こんなに豪快に彼に近づくとは。







シーーーーーーーン




と、また静まり返る部屋とは違い



ドドドドドドドドとうるさく響く心臓。






足がつったのが、テーブルに当たった足が振り子になり、私は彼の胸に飛び込んだ。







おそらく彼は起きたのだろう

寝息が聞こえない。



そして、


「.......誰」




静かなトーンの声が私の耳元でつぶやかれる。






この声





「......や、え。ごめんなさああああいっ!」



条件反射で彼の体から飛び離れる。




やっぱりいとこの山崎龍斗は

山崎龍斗くんに違いない!


そう確信して彼を見ると


まっすぐと見る綺麗な瞳がとても綺麗で


目をパチパチさせる。






そんな私とは違い

彼は、以外と落ち着いていて



「大丈夫?」



彼はすごく優しい。


胸が疼くおとがした。


だけどそれは、その時だけ。