モテないオトコ

 食事を終えると、俺はパジャマからスーツに着替えた。
 笹山さんは、私服のまま。
 会社に制服があるらしい。

「シャワーとか浴びなくても大丈夫?」

「浴びたい所やけど、時間がなぁー」

「もう少し早めに起きなきゃだったね」

「まぁ、一日くらい入らなくても大丈夫やろー」

「へぇ~」

「なんやどうしたん?」

 女の子って、そう言うの気にすると思っていた。

『気にしないのは笹山さんだからかな?』

 と、言おうと思ったけど止めた。
 だって、またチョップくらいそうだもん。

「さ、出ようか」

「あ、はい」

 俺は玄関に出て、部屋の鍵を閉めた。

「あ、ちょいまち」

 笹山さんが、俺を呼び止めた。

「ネクタイちゃんと締めな……」

 笹山さんは、そう言うと俺のネクタイを締めなおしてくれた。

「え?」

「男は、朝からピシっとしなアカンで!」

 笹山さんは、そう言うとニッコリと笑って俺の肩を叩いた。