モテないオトコ

「笹山さん痛いってば……」

「痛無い。忘れろ!」

 笹山さんは、何度も何度もチョップをした。

「ほら、早く朝食を食べないと遅刻しますよ」

「あ?今何時や?」

「7時半です。」

「そりゃ、急がなあかんな……
 ウチが何か作ろうか?」

「いえ、笹山さんはお客さんなので……
 朝は、パンでもいいですか??」

「あ、何でもええでー」

「じゃ、今からちゃっちゃと作ります。」

「ありがとさん」

 俺は、パンにバターを塗ってからトーストの中に入れた。
 こうする事で、バターの風味が一層増すんだ。

 その間に、冷蔵庫から卵を二つとベーコン二つを取り出すとフライパンに火をつけた。
 油をしき、ベーコンを軽く炒めた後、卵を割る。
 料理は小さい頃から親に仕込まれているので自信があった。

 気づけば笹山さんが、俺の隣に立っていた。

「手馴れたモンやなー」

「料理には、ちょっと自信があるんです。」

「そうなんや?
 じゃ、いつも弁当持参なん?」

「いえ、昼はコンビニか食堂が多いです」

「なんや、今度、弁当を作ってもらおうと思ったのに~」

「男が女に弁当を作るなんて聞いた事ありませんよ」

 俺は小さく笑った。