「からかわないでください」
「からかっている訳やないよ……」
「ただ寂しいだけ。
アンタも寂しいんとちゃうん?
彼女とかいなさそうやもん……」
「居ないですよ……
さ、笹山さんはどうなんですか?
彼氏にこんな事してる事ばれたらヤバいんじゃ……?」
「彼氏か?
彼氏とは、こないだ別れたばかりや……」
「……すみませんでした」
「気にせんでええよ。
今日の飲み会もな、彼氏に振られた寂しさを紛らわしたかっただけなんや」
こういう時、なんて言ったらいいかわからない。
俺が、言葉に迷っていると笹山さんが言葉をつづけた。
「実はな、子供できてん……」
「え?だったらお酒なんて飲んだら……」
俺がそこまで言いかけた時、笹山さんはそっと指先で俺の口に触れた。
「子供は、降ろした……
それが、あの人の為やったから……
だから、お酒は飲み放題や……」
俺は、クルリと体を回転させた。
するとそこには、涙を流している笹山さんの顔がそこにあった。
「なぁ、持内君
暫く胸を借りてもええか?」
俺は、コクリと頷いた。



