今度は、何も言わずにおでこを抑えた。

「アンタさー
 今、私が言うたことを疑ったやろ?」

 女の子の勘って鋭いよね。

「顔に書いてあるで?」

「す、すみません。」

 笹山さんは、ため息をついた。

「マイナス思考は一番モテへんねんで?」

「すみません」

「私に謝ってもしゃーないやろ?」

 そう言うと、笹山さんは、今度は俺のおでこにデコピンをした。

「笹山さんって、暴力的ですね。」

「なんやてー?」

 でも、何故か楽しかった。
 俺って、Mだったのかな……?

「ほな、昼休みがそろそろ終わるさかいこれ……」

 そう言って渡されたのは、小さなメモ用紙。

「そこに、私の携帯のアドレスがあるさかい登録してな」

「あ、はい」

「今日中に、メールで電話番号も添えて送ってや」

「はい」

「じゃ、お互い仕事に戻ろう♪」

 笹山さんは、そう言って俺の手を引っ張った。