モテないオトコ

「あの……
 泣いても笑わないでくださいね」

 橘さんが照れながら言った。

「それは、大丈夫です……」

 俺は、そう言ってジェットコースターに向かった。

「結構空いてますね」

 橘さんが、そう言って苦笑い。

「うん。
 この時間はショーをやっているからね。
 みんなそっちに向かっているんだよ」

「ショーってどんなのなんですか?」

「アソパソマソの着ぐるみを着た人が、演技したり踊ったり……」

「面白そう……」

「ジェットコースターやめて、ショー見に行きますか?」

すると、橘さんは両手を振って答えた。

「ジェットコースター乗りたいです……」

「そう……
 たぶん、ショーはまたあるから後で寄る?」

「はい!」

 橘さんが笑った。
 それだけで幸せな気分になれた。