「大丈夫ですか?」

「あ、はい。
 大丈夫です」

 橘さんが、そう言って優しく微笑む。
 こんなとき、リードしてあげるのが紳士の勤め。
 だけど、リードできない。
 それが、モテない男だ。
 あえて言おう。俺はモテない!
 でも、嘆いてばかりはいられない。
 なぜなら俺は、デートしているのだから!

 でも、デートに子供向け遊園地なんかでいいのだろうか?
 デートなんてしたことがない。
 だけどいっか。
 今の橘さんの目がキラキラ輝いている。
 なんか、楽しそうだ。