モテないオトコ

 笹山さんの言うとおり、一週間なんてあっという間に過ぎた。
 昼間は仕事、夜は引越しの準備で忙しかった。

 そして、金曜日の夜
 枚方市駅で、俺は笹山さんと待ち合わせをしていた。

「持内君」

「あ、笹山さん」

「待った?」

「うん、少し」

「あほ、こう言うときは、嘘でも『今、来たところだよ』って言うもんやで」

「そんな、べたなセリフ聞きたい?」

「女心もっと勉強したほうがいいよ」

「へいへい」

 笹山さんは、クスリと笑った。

「ほな、行こうか……
 今日は、ちょっと洒落た店見つけといてん」

「へぇ~
 それは、楽しみだな」

「デートスポットとしては、有名なんやて……」

「で、デートっすか?」

「そや、デートや」

「なんや、その顔、ウチとデートは嫌ってか?」

「いや、全く全然、むしろ光栄でございます」

「よろしい」

 笹山さんは、そう言うと手を前に出した。
 俺は、その手を握り前へと進んだ。