コツ、コツ、コツ。 誰もいない廊下に、私の靴音が反響する。 3-1と書かれた教室の前で立ち止まる。 ドアをゆっくりと開け、一歩踏み出す。 入ったとたんに、目に飛び込んでくる 『卒業おめでとうございます』 の文字。 「もう、この教室ともお別れか」 私はほっとため息をついた。 今日は、卒業式。